【続き】箕面公園で見つけた生き物(ほぼ昆虫)たち【電車旅】
前回の記事では、箕面公園の日帰りレポートということで
百名滝の絶景についてご紹介してみました。
実は、滝や景色の写真よりも
いきもの(ほぼ昆虫)の写真が盛りだくさん撮れました。
上の記事でいっしょに紹介しちゃおうかな~と思ったのですが、
さすがにムシ感が強い(?)ので別でまとめることに・・・。
虫さんたち紹介の前に、箕面公園について少しご紹介。
山全体が"公園"となっているここではハイキングコースが設けられていて、
標高400メートルに満たない小さな山を登ると、南大阪人にはあまり馴染みがないであろう滝の絶景が広がります。
私が訪れたときはゴールデンウィーク&晴天だったため、観光客もたくさんいらっしゃいました。
滝のポイントに到着して写真を撮ったのは、たしか朝の10時半くらい。
それでもこの人の多さなので、昼過ぎに行くともっと増えるのかもしれません。
そしてこの綺麗な箕面の滝、実は日本百名滝に選ばれた実力者。
いきもの探しを目当てに来た私は滝よりもカゲロウに夢中でしたが、こうしてあらためて見てみると確かに綺麗・・・。
しかも(今回は見られませんでしたが)このあたりにはカワセミも飛んでくるようです。
滝に群がる人々をあざ笑うニホンザル。※あくびしているだけです。
さて、ではさっそく箕面公園で見たいきものたちを時系列順に紹介してみましょう。
主に昆虫で、しかも名前の分からないものがほとんどですが、
あくまで「こんなものもいるんだなあ」というくらいで見ていただけますと幸いです!
そして興味が湧いたらぜひ箕面公園へ足を運んでみましょう。
※ここから虫写真大量投下
箕面駅に到着してから、わずか10分後に見つけたミノムシ。
写真はキタクロミノガに似てています(未同定)。
近年急激に数を減らしているミノムシですが、ここでは20~30分に1回は必ず見ていたと思います。
しかもそのどれもが別々の種類で、先端から可愛らしい顔を覗かせては一生懸命に歩いいました。
その直後に、雑草の上で翅を休めるハチ。
モフモフの毛が生えた体が愛らしいハナバチの仲間でしょう。
ハナバチから目をそらし、ほんの少し歩くと
手すりの上をなにやら急いだ様子で歩くイモムシ。
ガの幼虫のようですが…まったく見当がつきません。
綺麗な川のいきものと言えばカゲロウ。
日本には140種類以上のカゲロウが生息していると言われていますが、写真はおそらくモンカゲロウでしょう。
滝の近くでは、気持ちよさそうに飛び回るカゲロウがたくさんいました。
滝から少し離れた所の、切り株の上に止まるトンボ。
サナエトンボの仲間であることはほぼ確実ですが、なにしろ種まで詳しく調べるには捕獲する必要があります。
…が、捕獲したところで素人には困難な任務なので諦めました。
私にとって人生初のカワゲラ。
フタツメカワゲラ(未同定)のようです。黒と黄色の顔がキャラクターみたいでかわいいですね。
人の気配を感じるとすぐに飛び立ってしまう元気なカワゲラで、シャッターを押したあとに素っ気なく飛んで行ってしまいました。
枯葉の中には何かいる…と地面を見つめて歩いているとバッタの幼虫が飛び跳ねていました。
5月初めのわりには汗ばむ気温でしたが、この小さな幼虫のおかげで少し春らしさを取り戻すことができた私。
(「初夏」のほうが適当かもしれませんが。)
少し道のアップダウンが激しくなってきたころ、手すりの上でフラフラと揺れる緑色の昆虫が・・・。
こちらも人生初のナナフシモドキです。
私が手を差し出すと、少しの迷いもなく登ってきた人懐こい奴。かわいい。
細くて小さい可愛い虫ですが、写真は幼虫なのでこれからもっともっと大きくなります(おそらく大人の手のひらくらい)。
バッタやナナフシモドキなど不完全変態の幼虫は、完全変態である芋虫・毛虫とは違った魅力がありますね。愛らしさはほぼ子犬と同じ(自論)。
彼らも人間の赤ん坊のように、可愛いことを自覚しているのかもしれません。
ナナフシモドキの可愛さに夢中になっていると、こんどはイモムシらしい独特な動きで行進するチョウ目の幼虫が。
緑色をしているのでシロチョウ系統か…?と思っていたのですが、これもやはり種類が多すぎて同定は難しいです。イモムシ図鑑をください。
いきものを探しながらゆっくりと歩いていると、ガが好きそうなポイントを発見。
そしてやはりいました。カワゲラらしき大きな虫(写真右)も一緒に。
1匹ずつクローズアップして見てみると…
こちらはマエグロシラオビアカガネヨトウのようです(長い)。
まるで絵具でデザインしたかのような模様をしています。地味なんだか奇抜なんだか、よく分からないですね。
(撮影の腕の無さに絶望しました)
こちらはサイズがかなり大きい種のオオヤマカワゲラのようです。
ガの1.5倍はありそうなカッコイイ昆虫。
…と見惚れていると、それを上回るこいつが。
かの有名なトビズムカデ!。
私が見つけたときには、なぜか水に溺れてもだえ苦しんでいました。見つけた誰かがバシャっとかけちゃったのかな?
残念ながらそのまま息絶えてしまいましたが、やはり恐ろしくもカッコイイ風貌をしていました。一度は手乗りムカデと戯れてみたいです。
綺麗な二層の緑色を輝かせて歩く小さなイモムシ。
このあたりで、箕面の滝付近へ到着したと記憶しています。
滝とニホンザルの写真に満足して折り返すと、すぐにカワゲラを発見。
これもオオヤマカワガゲラでしょうか。
大きな翅を3枚見せびらかしたまま、大急ぎでどこかへ走って行ってしまいました。めちゃくちゃ急いでました。
切り株の上で、体を持ち上げながら着地点に迷うシャクガ科の幼虫、通称シャクトリムシ。
行き先を決めると頭をつき、一瞬でキュッと体を折り曲げます。
私は"尺を取っている"シャクトリムシを見たのが初めてだったので、一種の感動すら覚えました。感動。
シャクトリムシを撮影していると、なにやらキラキラ輝くトンボが飛んでいます。
イトトンボの仲間のようです。
飛んでいるときは青色のように見えたのですが、止まっているトンボを見てみると緑色に見えます。
オスとメスで色が違うタイプなのでしょうが、種の同定までには至りませんでした。トンボ難しい。
しかし本当に綺麗に飛ぶトンボだったので驚きです。さすが箕面公園。
もう何度目のイモムシでしょう(ブレすぎ)。
今までの小柄なイモムシに比べると、けっこうな大型でした。親指くらいの太さ(リアル)。
真上から見ると白い筋が1本通っています。
幼虫の次は成虫のガ。
シャクガの仲間なのですが、こちらも同定までには至らず…なかなか難しいです。
アオシャク亜科になるのでしょうか。
すぐに破れそうな薄い翅で、低い場所をパサパサと飛んでいました。
先ほどの種よりも2回りくらい小さい極小シャクトリムシ。
まるで迷子の子どもが泣きながら母親を探すかのように、上半身をフラフラさせていました。
ようやく着地点を見つけ、キュッと身を縮めます。
この動作はいつまででも見ていられますね。なんなら誘導してあげたいくらいです。
今度は"尺を取っていないほう"のシャクトリムシ。
本来の習性通り木の枝に化けているのですが、肝心の木は偽物。
そんなに頑張らなくても…となんとも言えない気持ちになりますが、彼らにとっては寝転ぶよりもこうしたほうが気楽なのかもしれませんね。おっちょこちょいなシャクトリでした。
ふたたび登場のナナフシモドキ(幼虫)。
写真では分かりにくいですが、偽物の木の上をドスドスと自信満々に歩いていました。本当に足音立ってんじゃね?くらいのドスドス歩き。
このあたりには本種の数が多いらしく、今回の箕面公園散策で15回は目撃しています。
今見返してもまったく何か分からないのですが、キラキラ光る甲虫。
「あとで調べれば分かるだろう」と撮った写真だが、こんな低画質で分かるわけがない…とあのときの自分に言ってやりたいですね、本当に。
背中に付けた黒点がチャームポイントのイモムシ。
頭が大きいので兵アリでしょうか。
修験道の教えを守って、修行を続けている唯一の虫かもしれません(妄想)。
いかつい外見のアリとは打って変わって、
人差し指第一関節ほどの小さなカマキリの幼虫を発見!
彼らもナナフシモドキ同様不完全変態なので、大きさは成虫に比べてかなり小さいです。
そしてあの恐ろしいカマも、なぜか可愛い飾りのように見えてしまうのが不思議。
川沿いに生えた植物の
葉の裏で一心不乱に食事を続けるケムシの一種。
ケムシとひと言で言っても、チョウ目は幼虫時代に何度も脱皮をして模様を変えるので同定が難しいのです(言い訳)。
続いてこちらはテントウムシの幼虫。
テントウムシの幼虫がこんな姿をしているとは…という人も案外多いらしい。
詳しい種の同定はできませんでしたが、ナナホシテントウやナミテントウあたりでしょうか。
展望台に続く上り坂を物色していると、ぴかっと光る甲虫の姿が。
色別れした翅の模様が特徴的なキスジコガネですね。
控えめな表情で葉の上に止まる小さいコガネムシ。
触覚の先端は閉じていいますが、掌状に開いた姿は実にキュートです。
先ほどのシャクガとはまた違った種のよう。
こちらも地面に近い所を飛び回り、ようやく見つけた木の幹に止まりました。
遠目からでも分かる触覚の太さを見ると、可愛い顔をしていることが容易に想像できますね。高級カメラが欲しいです。(iPhone7で撮影)
朽ちた葉や枝の近くを忙しそうに動き回るムネアカオオアリ。
先ほどのクロオオアリよりもかなり大きく見えたのですが、両者のサイズはほぼ同じなのだそう。
赤色に染めた胸が錯覚を起こさせているのでしょうか。
手すりに糸をくっつけてぶら下がる幼虫。
ひたすら緩い風に身を任せて揺れていました。
急いで地面に下りないと何者かに見つかりそう…と勝手に心配していましたが、しばらく見つめても動きはありませんでした。なんとものんきなイモムシです。
危機感を晒すイモムシに背を向けて、スタート地点まで一気に下山(?)。
すると大きな木の幹をゆっくりと歩くヨコヅナサシガメを発見。
かなり下から見上げてもはっきり分かるボーダー柄の縁。
堂々と、しかしゆっくり歩くサシガメを最後に、箕面駅から帰宅しました。
今回紹介した生き物は、昆虫だけで30種類にもなります。
さらに、撮影能力の低さゆえ掲載までに至らなかった種を含めると、40種は超えるでしょう。
箕面公園の滞在時間が4時間程度だったので、1時間に10種類の生き物と出会っているということになります。頭数にすると、その数は計り知れません。
滝や森林浴ももちろん素敵ですが、もう少し目線をずらして、ときにはいきものの宝庫を覗いてみよう。
※今回私が見つけた虫たちは、意外と目を凝らして発見したものばかりです。箕面公園のどこを見ても虫、虫、虫!というわけではありませんので、虫嫌いな方も安心してハイキング・観光をお楽しみください…。